匠の技

加茂箪笥の歴史

加茂で桐箪笥がつくられるようになったのは、およそ二百年前の天明年間のころといわれています。時代や用途のなどによって機能や形態は少しづつ変わりましたが、匠の技は受け継がれ、磨き澄まされ、数々の逸品を生み、日本の暮らしを彩ってきました。そして、桐のもつすぐれた特性と美しい木目、木肌のぬくもり、手作業による高い技術が認められ、昭和五十一年、通産省大臣より伝統工芸的工芸品「加茂桐箪笥」の指定を受けました。 最近では、古来からの伝統技術をいかして、現代生活に調和した新しい作品づくりも行われています。時代は変わっても、桐が日本の収納家具にもっとも適した材料であることは、これからも変わらないでしょう。

加茂箪笥製造工程

桐原木丸太

■桐原木丸太

以前は、会津産がほとんどでしたが、現在は、新潟県の松之山や栃尾などから仕入れています。会津産と新潟産、その両者に明確な違いはありません。会津桐といっても全て良いものとは限りません。

板挽き

■板挽き

桐の丸太の皮を剥いて、板挽きした状態です。挽き方によって、歩留まりが違ってきますので、重要な作業工程のひとつです。

板干し

■板干し

板の厚みにもよりますが、1年から2年の期間、天然乾燥させ、渋抜きさせます。

木取り

■木取り

材料の選別です。材料をタンスのどの部分に使うかを決める作業です。これによって、タンスの良し悪しや歩留まりがきまりますので、ある意味、一番重要な工程です。

組み立て(蟻組)

■組み立て(蟻組)

組み立て作業のひとつの蟻組みです。職人の腕の見せ所のひとつです。

組み立て(抽斗)

■組み立て(抽斗)

組み立て作業のひとつである、抽斗(ひきだし)作りです。この画像は、底板に木釘を打ちつけているところです。

塗装(焼き仕上げ)

■塗装(焼き仕上げ)

ガスバーナーで焼き上げます。桐は燃えにくいので、表面のみ焦げる感じになります。この後、宇造りを掛け、との粉を刷り込み、仕上ます。

塗装(との粉仕上げ)

■塗装(との粉仕上げ)

伝統的な着色方法です。桐にとって、一番やさしい着色です。地塗、本塗を経て最後にロウ仕上げします。

金具付け

■金具付け

金具によって、タンスの雰囲気が変わりますので、金具付けは、タンスを傷つけないように、慎重に行われます。

梱包

■梱 包

タンスが出来上がったら、梱包いたします。ダンボールは厚く、かつ丁寧に梱包いたしてますので、よほどの衝撃を与えない限り、傷がつくことはございません。

建物

工場〈匠館〉

■工場〈匠館〉

昭和49年に加茂市街地から加茂市須田工業団地に移転。匠館は、工場にあたります。このなかで、商品をつくっております。

倉庫〈雅館〉

■倉庫〈雅館〉

雅館は倉庫です。弊社は、お店やショールームがございませんので、倉庫にて商品をご覧いただくこととなります。最大で50棹の商品がございますので、たくさんの商品群の中から、お選びいただくことが可能です。弊社は、ネットでの販売はいたしておりません。各地で開催する展示会あるいは、弊社に直接お越しください。商品につきましてもお気軽にお問い合わせくださいますよう、お願い申し上げます。

倉庫内

■倉庫内

弊社は、展示会場がありません。年に一度だけ弊社倉庫にて、展示会を開きます。また、展示会以外のときでも、商品をご覧いただくことは可能です。(ちょっと雑然としていますが…。)約50棹の商品がございますので、その中からお選びいただくことができます。(展示会の関係で商品が少ない場合もございます。)

タンスの再生

金具を外した更生前の桐タンス

桐タンスのリフォームです。画像は金具を外した更生前の桐タンスです。

更生後の桐タンス

更生後の桐タンスです。外見は新品になります。金具取替え 裏板張替え 新しい桐を張り付け(全体) タンス内部は、漂白処理。30年以上前、あるいは相当傷がある場合は、削っても削りきれませんので、新しい桐張り付けます。このほうが、仕上げがきれいになります。色合いも、削っただけのタンスだと、着色しても若干くすんだ感じになりますが、新しい桐を着色した場合は、新品同様の色合いになります。 お見積もりは無料ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

当社在籍伝統工芸士

山本 隆

■山本 隆(やまもと たかし)

昭和39年生まれ 昭和56年入社
得意分野 からくり金庫箪笥 伝統的桐たんす

江部 雅之

■江部 雅之(えべ まさゆき)

昭和54年生まれ 平成13年入社
得意分野 現代的チェスト 再生たんす